遺品整理は法律的な知識を持つことでより安心に、スムーズに進めることができます。
〜ご遺品は大切な相続物のため、中には法的な知識が必要なケースもございます〜
スリーエスでは名古屋市を中心に遺品整理に関わる各種専門家(弁護士・司法書士・不動産関係者など)と連携し、お客様へ様々なご提案をさせていただきます。
遺品整理と法律のお話
「遺品」とは故人様が残された大切な相続物であり、身内の方をはじめとする血縁関係にある方々には「相続権」という権利が法律で認められています。
昨今では故人様と離れて暮らされている「核家族」と言われる世帯が増えていることからも、その遺品整理や家財整理等を一括して専門業者に頼まれる方が多くなりました。その時代のニーズに合わせて遺品整理を代行するサービス業者も年々増えてきています。
その中で、ご遺族様(相続人)同士における争いやトラブルのお話もよく耳にします。故人様の大切な遺品だからこそ皆で仲良く、故人様が一番喜ばれる相続をしたいものですが、現実にはなかなかうまく話が前に進んでいかないケースもあるようです。
そんな時、最低限の法的な知識や手順を知っていることで、さらに良い提案や方向性が見えてくることもあるかもしれません。ぜひご参考にしてみてください。
1.遺品整理を依頼する前に「遺言書を探す」
遺品には必ず相続権が発生いたします。その上で遺言書がある場合には故人の遺志に従って遺産を分配する必要があります。
そのため、たとえ相続人であっても早くて葬儀が終了するまで、さらに言うのであれば四十九日を終えるまでは遺品には手を付けない方が無難と思われます。
◯故人が遺言書を残していた場合
遺言書の残し方は人それぞれ多種多様な形があります。それは弁護士に託している場合、または親しい知人や友人に託している場合などその在り方は様々です。
また、身内には知らせず密かに託している場合もありますので、通夜や葬儀には親しい知人や、生前お付きあいのあった弁護士などにも一通り声をかけておきましょう。
もし、遺言書を託された方が故人がお亡くなりになったことを知った際には遺言書の存在を知らせてくれるでしょう。
遺言書が発見されましたら未開封の状態で、直ちに家庭裁判所へ提出し、検認の手続きを請求しましょう。検認してもらうことで遺言書の存在をはじめて公的に認めてもらうことができます。
さらに、遺言書の中には封印がされていることがあります。封印がされている場合、たとえ相続人であっても勝手に開封することは厳禁ですのでその取扱いには注意が必要です。
※遺言書は故人が作成したものであった場合に関してのみ家庭裁判所への提出が必要になります。
公証人の立会いの下作成された「公正証書」という形になっていた場合に関しては公証人が家庭裁判所と同等の立場で確認していることになりますので家庭裁判所へ届ける必要も検認の必要もありません。
◯遺言書が存在しない場合
相続人全員の話し合いで話がまとまればその決定に従って遺品整理を行い、遺品の分配を行うことが可能です。
しかし、話し合いが平行線でまとまらない場合には弁護士が間に入り、家庭裁判所の判断において法律に沿った形での分配を行っていきます。
遺品の中でも金銭的な価値が付くものに関しては法的に分配することが可能ですが、生前故人が大切にしていたものや、心のこもった遺品等は法律では決着をつけることができませんので、最終的には相続人全員の話し合いで決めることこそが故人の遺志を尊重することにつながるのではないでしょうか。
2.遺品整理を依頼する前に「遺言書の効力」
遺言書を家庭裁判所に提出、検認を受けましたら開封作業へ入ります。
先ほど遺言書は「未開封で提出」と言いましたが、勝手に開封されている場合、開封者が遺言書の改ざんを行ったと他の相続人から思われトラブルの原因となります。
◯開封作業は相続人全員の立会いの下で行う
実際に開封作業へ入る際には必ず相続人全員が顔を突き合わせて行います。
その上で注意点として挙げられることは、家庭裁判所から検認を受けた遺言書は「遺言書の存在を公的に認める」ものでありその「有効性を問うものではない」ということです。
上記の点を注意し、相続人全員で開封作業を行った後、遺言書に書かれている故人の遺志に沿って遺産の整理や分配、形見分けを行っていきます。
3.遺品整理を依頼する前に「遺言書とトラブル」
遺品整理の際に遺言書が発見された場合、「必ず遺言書に従う」ことになります。
しかし、故人が残す遺言書に書かれている遺産の整理や分配は個人的な感情が大きく反映されている場合が多くありますので注意が必要です。
そのため、必ずしも民法の規定する法定相続人の相続分割合と一致するとは限りません。
また、生前から故人を始め、相続人を含めた全員で司法書士を間にはさみ、遺産分割協議がなされていたとしても、遺言書の決定権は絶対ですので、遺言書が遺産分割協議がされた後に発見された場合にはその効力を失い、遺言書の内容が優先されますので注意が必要です。
さらに、生前は故人に対して疎遠だった相続人が、日ごろから故人のお世話をしていた相続人に「故人の世話をすることで故人の感情を誘導した」などと難くせを付けてトラブルに発展する場合もありますので注意が必要です。
4.遺品整理を依頼する前に「相続財産としての遺品の種類」
遺産の相続と聞くと土地や建物などの不動産資金や預託金・有価証券などの動産をイメージしてしまいがちですが、「負の遺産もある」ということを認識しておくことも大切です。
故人の残した遺産の中には生前の借金等がある場合があります。相続権を持つ方はそれらも引き受けなくてはなりません。
不動産や預託金以外にも衣類や宝石類、ブランド物、自動車、美術品などなど、様々なプラスの遺産もあれば借金などマイナスの遺産もあるということも考えておきましょう。
世の中には負の遺産によって借金の返済に苦労している方も見えます。
5.遺品整理を依頼する前に「形見分けの遺品の種類」
故人の遺品は生前故人様が生きてきた証そのものです。
ある人にとっては価値がなさそうに見えるものでもある人にとってはとても価値のあるもの、遺品とはそういうものです。
代々受け継がれてきた着物などの伝統的なものから、家族が仲睦まじく写った写真なども思い出の品です。
生前ゴルフが好きだった、音楽が好きだった、お花が好きだった、手芸が好きだった、女性であればファッションやバッグにシューズなど、言い出したらキリがありません。
その中で大切なことは、どんな形であれ天国でいる故人様を笑顔にすることではないでしょうか。
やはり遺品は記念の品として相続人が故人様の生前の思い出を語らいながら分配することが一番だと思います。
「財は一代・名は末代まで」という言葉があるように、形見分けでトラブルになるよりも、故人の遺志を尊重することが、お亡くなりになった故人を一番尊重する方法であると思います。
6.遺品整理を依頼する前に「相続放棄」
遺産・遺品の相続についてはデリケートな問題であることから、相続人には遺産の相続を放棄できる権利が法律で認められています。
しかし、必ずしもすべてのケースにそれらが適用されるわけではありませんので正しい知識と認識が必要です。
◯相続放棄ができる場合
・プラスの財産より明らかにマイナスの財産が多い場合
・相続トラブルに巻き込まれたくない場合などが挙げられます。
◯相続放棄の手続き手順
相続放棄の中で大切なことは、きちんとした段階的な手順を踏むことにあります。
まずは自分が相続人と知った時から「3か月以内」に家庭裁判所へ行き、「相続放棄申述書」を提出する必要があります。「3か月以内」という期限がありますので注意が必要です。
相続放棄が家庭裁判所に認められれば「相続放棄申述受理通知書」が交付(送付)されます。
この「相続放棄申述受理通知書」を他の相続人や債権者に提示することで相続放棄した旨を証明することができますが、ケースによっては一部「相続放棄申述受理通知書」ではなく、「相続放棄申述受理証明書」の提出を求められることもありますので、その際には再度家庭裁判所へ出向き、その旨を伝えた上で申請をすることで証明書が交付されます。
◯どこの家庭裁判所へ行けばいい?
こちらは被相続人の住所地の家庭裁判所、もしくは相続開始地の家庭裁判所になります。
◯相続放棄をしても「単純承認」とみなされる場合がある!?
単純承認とは、自身が相続人と知ってから3か月以内に所定の手続きを取らなかった場合など、意に反して相続が認められることを指します。
それ以外にも
・相続人が勝手に財産の全部、または一部を処分した場合
・財産の全部、または一部を隠ぺい、消費したりした場合
などが「単純承認」に該当することがありますので注意が必要です。
相続放棄に関しては自分一人ですべてを行おうとはせず、必ず司法書士や弁護士などの法律関係者と相談して決めていくことが大切です。
※相続放棄に関してはこちらに書かれていることがすべてではありません。法律ではさらに細かな取り決めやケースによっての手続きがありますので詳しくは司法書士や弁護士、最寄りの家庭裁判所等へご相談ください。本ページに上記に記載されている内容によってトラブルなどが生じた場合など、スリーエスでは一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
7.遺品整理を依頼する前に「法律関係者の知り合いがいない・・・」
スリーエスでは遺品整理や特殊清掃を行う中で愛知県名古屋市を中心エリアとする弁護士・司法書士等の法律関係者と密に連携を取り、そのトラブルの防止に努めております。
遺品整理や財産分与を行うにあたって、今まで弁護士や司法書士などの法律関係者と知り合う機会がなく、「何から手を付けていいかわからない」という方もいらっしゃることでしょう。
スリーエスにご相談いただければそのあたりも相談に乗らせていただきますのでお気軽にお問い合わせください。一緒に二人三脚で正しい遺品整理を行っていきましょう。